
個別化医療の確立、臨床現場における標準化を実現したい
第4回(2025年度)
慶應義塾大学大学院
医学研究科博士課程4年
T. Nさん
- 当奨学金の活用方法や、研究や学生生活に期待する変化を教えてください
ご支援いただいた奨学金をもとに、海外での研究動向の把握や異分野を学ぶ機会などを増やしていければと思います。具体的には、海外研究者とのネットワーキングを通じて、自身の研究の国際的な立ち位置を俯瞰できればと思います。また、工学など専門外のワークショップ受講や異分野交流を通じて、研究の加速ならびに方向性の多角化ができればと思います。
- 医療分野を学ぼうと思ったきっかけや、志望した理由を教えてください
高校生の頃、生物の授業で免疫というシステムが一度侵入してきた病原体を記憶して抗体を作り、巧妙にヒトの体を守っているということ学び、感動を覚えました。一方で、後の授業では血液には自分の血液型とは異なる血液型抗原に対する抗体が備わっていることを学び、輸血などされていない、つまり一度も体内に侵入していない抗原に対する抗体があることに矛盾を感じました。高校の先生に質問したところ、明快な回答は得られずヒトの体について学びを深めたいと感じたからです。
- 現在学んでいること・研究を、将来どのように活用していきたいですか
臨床現場の中で感じたことは、現在の疾患概念は必ずしも完成されておらず、治療経過に大きなバラツキが存在することでした。この課題を解消するには、最先端のテクノロジーを検査に取り入れ、高精度な診断や予後予測を可能にする個別化医療の実装が不可欠であると考え、臨床検査専門医の取得・大学院進学を選びました。
今後は、自己免疫疾患などの病態解明が不十分な疾患に対し、オミクス解析を基盤とした個別化医療の確立、さらには臨床現場における標準化を実現することを目指しています。 - 同じ分野を目指す後輩に一言、お願いします
臨床検査を専門とする若手医師が少ない背景には、ロールモデルの不在や認知度の低さがあるかもしれません。しかし、周囲と同じ道を選ぶ必要はありません。まだ誰も歩んでいないからこそ、自分だけのキャリアを切り拓く面白さがあります。何者にも縛られず、自由に描く道は、きっと想像以上に豊かなものになるはずです。
- その他、財団関係者に伝えたいことがあれば
この度は、ご採用いただき誠にありがとうございました。ご支援いただいた奨学金は、研究をより一層発展させるために大切に活用させていただきます。ご採用いただいたことを励みとし、医学の発展および社会に還元できる成果を挙げられるよう邁進いたします。



