視覚から交通事故対策に尽力できる研究者になりたい
北里大学 大学院
飯塚 達也さん
- 当奨学金を受給して、研究や学生生活にどのような変化を期待しますか
奨学金受給前の経済状況はアルバイトをしながら最低限の生活ができている状態でした。1週間の内4日は大学院で研究活動に励み、2,3日はアルバイトで学費や生活費を補っていましたが、平日5日間はアルバイトをせずに生活することができるようになりました。
今までアルバイトに充てていた時間で研究の活動をすることができ、博士課程での新しい研究に挑戦できています。 - 医療分野を学ぼうと思ったきっかけや、志望した理由を教えてください
人は外界からの情報の8割以上を「視覚」から得ています。視覚は、様々な学問・業界と密接な関係があります。私の専攻でもある医療としての「眼科学」、省エネだけでなく、眼に優しい光の開発を行う「照明工学」、運転時の視認性などの交通安全としての「交通工学」や「人間工学」など多種多様です。
そのため、視覚に関する知識は応用の幅があることから、奥深い学問であると知り、今日まで多くのことを学ぶに至っています。 - 現在学んでいること・研究を、将来どのように活用していきたいですか
日本の交通事故件数は、年々減少傾向ですが2022年は300,839件で、依然として社会的な課題といえます。私はこの課題を解決するために、「視覚」と「交通安全」を融合させた研究で貢献したいと考えています。なぜなら、運転者の視覚は、運転能力に直結するため、視覚の質を向上させることは事故リスク低減に繋がります。
近年のヘッドライトはとても明るく安全性が増していますが、夜間の眩しい光による眼不快感が増しています。こうした背景から、眩しさを軽減し、視覚機能を確保できるレンズや照明の開発に携わりたいと考えています。また、運転者だけでなく、歩行者の安全性を確保するためにも、視覚特性を生かした視認されやすい安全服の開発を行い、視覚から交通事故対策に尽力できる研究者を目指しています。 - 同じ分野を目指す後輩に一言、お願いします
視覚の学びは奥が深く、数えきれない課題があります。
あなたの学んだことが医療だけでなく、社会全体に還元される非常に奥深い学問です。