人と動物双方に役立つ治療を確立したい
東京科学大学大学院
歯学総合研究科 医歯学専攻
M.K.さん
- 医療分野を学ぼうと思ったきっかけや、志望した理由を教えてください
学部では獣医学を学び、医療と獣医療の双方に共通する疾患の新たな治療法確立を目指して、基礎医学研究に取り組んできました。その過程で、医学と獣医学は共通する課題が多く、獣医学における研究は医学研究の成果を応用する形で発展していることが多いと知りました。そこで博士課程は、獣医学研究の基盤であり、より先進的な知見が集まる医学研究科で基礎医学研究を続けることに決めました。
- 現在学んでいること・研究を、将来どのように活用していきたいですか
医学研究科では、医療・獣医療共に最も死亡率の高い疾患である腫瘍をテーマに研究を行っています。これまでに、腫瘍と戦って疲弊化したT細胞を再び戦えるよう“若返らせる”働きを持つ細胞をマウスで見つけ、現在は同様の細胞がヒトにも存在するか、がん患者由来の検体を用いて検討しています。将来は、ヒトで得た知見を獣医療に、動物で得た知見を医療に──そんな双方向の応用ができる研究者になりたいと思っています。獣医師としての目線と、医学研究科で培った最新の技術を組み合わせ、人と動物どちらにも役立つ新しい治療のヒントを見つけるのが目標です。基礎医学研究を通じて人と動物の両方を救うことができる点が、私が研究に携わることの最大の魅力です。
- 同じ分野を目指す後輩に一言、お願いします
わからないことに出会い、悩み、考える。その過程こそが研究の醍醐味です。ぜひ自分のペースで、一歩ずつ挑戦してみてください。応援しています!
- その他、財団関係者に伝えたいことがあれば
このたびは奨学生に採用いただき、誠にありがとうございます。
貴財団からのご支援は、私にとって大きな励みとなり、研究者としての歩みを一層力強く後押ししてくださるものとなりました。今後も貴財団のご期待に沿えるよう、日々研鑽を重ね、学問と研究に邁進してまいります。